頭痛①メカニズムからお薬の種類まで解説|コリからくる緊張型頭痛・ズキズキと脈打つ偏頭痛

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こんにちは。最初に少し人気記事の紹介をします。

「お金の大学」と「副鼻腔炎×ハーブティー」の記事が人気

今見えている限りでは、「お金の大学」と「副鼻腔炎×ハーブティー」の記事が人気なようです。

(関連記事→「「本当の自由を手に入れるお金の大学」を読み終えました。」)

「お金の大学」のメインターゲットは「保険の見直しや副業について、大事だとは思っているけど結局ここまで何もせずに来てしまった。そろそろ本気で取り組まないとマズい。でも何からどうやっていいかわからない。」というサラリーマンなんじゃないかなという印象です。

公的保険についての条件や額も事細かに書かれていて説得力があります。この本の影響を受けて、我が家は旦那の生命保険を解約しました。

「不安を解消するために保険に入らなきゃ!」という人も少なくないようです。

しかし「いつどんな条件で何に対していくら支払われるのか?そのためにどれだけ手数料を取られているのか?その不安を払拭する他の手立てはないのか?」ということをまず考える必要があります。

「不安だから保険屋さんが用意してくれた保険に加入すればいいじゃない?」と思考停止状態になってしまうのは問題です。

思考停止のまま他人の勧めを軸に人生を積み重ねていってしまうと、自分の人生を生きていないことになり愚痴や虚無感がどんどん増えていきます。

「不景気だからお金がなくて不幸だな」「保険料が高くて家計がキツキツだから辛いな」と外的要因によって自分の機嫌が左右されているような感覚になるんですね。

それを1つずつでも「自分の人生をこうしていきたいから、そのためにこれを取り入れるんだ・手放すんだ」と自分の人生の舵を取っている感覚を増やしていくことで、外的要因による不幸感を減らしていくことができるのです。

さて「副鼻腔炎×ハーブティー」の記事が私の予想よりも人気だったので、びっくりして旦那に聞いてみました。

(関連記事→「副鼻腔炎(蓄膿症)の旦那にハーブティーを飲ませた結果①」)

(関連記事→「副鼻腔炎(蓄膿症)の旦那にハーブティーを飲ませた結果②」)

「副鼻腔炎を薬以外で楽にしたいって思って検索する人が多いのかな?」と。

「そりゃそうだよ。副鼻腔炎で苦しんでいる人はいっぱいいるんだから。そして頭痛薬が効かないからね。頭痛に似ているけど実際に痛いのは目の下辺りで、厳密には頭痛ではないから痛くても頭痛薬が効かないんだ。」との回答でした。(頭痛薬って解熱鎮痛剤だから、頭以外の痛みにも効きそうに見えますけど、旦那は効かないらしいです。)

そんなわけで体と自然療法の話が意外と人気があるんだなと思ったので、今回は頭痛の話をしていきます。

2種類の慢性頭痛|緊張型頭痛と偏頭痛

脳卒中やくも膜下出血、事故による頭蓋骨骨折などの急性の頭痛は西洋医学に任せるとして、日常生活で気になる慢性の頭痛について見ていきましょう。

緊張型頭痛(機能性頭痛)|締めつけられる・コリから来る痛み

仕事や家事を休んで寝込むほどの痛みではないが、頭にお椀をかぶったように締めつけられる痛みが長く続く頭痛と言われています。

頭痛の中で最も多いのがこの緊張型頭痛で、首や肩のコリを伴うことが多く首や肩の筋肉を押すと痛む箇所があります。

つまり血行不良によって引き起こされる頭痛と言えるでしょう。

(参考→「ドクターズ・ファイル 緊張型頭痛」)

私の今の本業はセラピストですが、首や肩のコリから頭痛を引き起こしている方も少なからずお店にいらっしゃいます。

多少デスクワークや勉強を集中してやることで姿勢が固定されて、首肩まわりの血流が悪くなることは誰しもあると思います。

ですがコリが頭痛まで悪化してしまっている人は「肩こり」どころではないとんでもない硬さです。

「もしかして過去に骨折したことがあって、ボルトを入れる手術をしていて、そのボルトに触っちゃってるのかな?」「筋肉が骨になる病気!?」と思うほど、人間の筋肉ではないような硬さをしているのです。

時間はかかりますが徐々にほぐれてはいきますけどね……。

仕事が大事じゃないとは言いませんが、仕事をするにも自分の体が資本となります。

体が壊れれば仕事をすることもできなくなってしまいます。もっと、自分の体も労わってあげてほしいなと思いながら施術をしています。

緊張型頭痛の痛みのメカニズム

筋肉というのは、血液が運んでくる酸素と栄養を使って自由に伸び縮みするのが仕事なわけです。

酸素と栄養が足りなくなってくると「異常事態だよー!治さないとダメだよー!」と教えてくれます。それが肩こりの痛みです。

痛み発生のメカニズムの図

体の中で痛みを引き起こす疼痛物質にはブラジキニンやヒスタミンなどがあります。普段、疼痛物質は細胞の中に蓄えられているので痛みを感じることはありません。

そして「プロスタグランジン」という炎症性情報伝達物質があります。プロスタグランジンは号外新聞を一生懸命配っている人や、噂話好きの人のような感じでしょうか。

「ねえねえ!今、異常事態を治そうとしているらしいよ!」と痛みを伝える神経にはたらきかけ、痛みの伝達を強めてくれるのです。

「余計なことすんな!痛いのはお前のせいだったか!」と思うかもしれませんが、実は本来「炎症」というのは治癒を促進するための過程なので、彼らは一生懸命「治すこと」を頑張ろうとしているだけで、ちっとも悪者ではないのです。

憎むべきものがあるとしたら、悪い姿勢を続けてストレッチなどのケアをしてこなかった自分の生活習慣……ですかね。(^_^;)

アスピリンが頭痛に効くメカニズム

では西洋医学的な「薬」はどのようなメカニズムで頭痛にアプローチするのか、アスピリンを例に見ていきましょう。

痛みのメカニズムは以下です。

  1. 脳血管で炎症がおきると細胞膜から「アラキドン酸」が作られる。
  2. シクロオキシゲナーゼによって、アラキドン酸は「プロスタグランジン」に形を変える。
  3. プロスタグランジンは細胞の外に放出され、痛みを伝える神経にはたらきかけ痛みの伝達を強める。
アラキドン酸が作られる図
アラキドン酸がプロスタグランジンに変わる図
プロスタグランジンが痛みの伝達を強める図

そしてアスピリンが効くメカニズムは以下です。

  1. アスピリンがシクロオキシゲナーゼにはまり込む。
  2. アスピリンがシクロオキシゲナーゼにはまり込んでいるため、アラキドン酸がはまることができず、プロスタグランジンが作られないため、痛みがおさまる。
アスピリンがシクロオキシゲナーゼはまり込む図
プロスタグランジンが作られない図

アスピリンが頭痛に効くのは、痛みの伝達を強める「プロスタグランジン」を作らせないからなんですね。

一般的な解熱鎮痛剤

ちなみにドラッグストアに置かれていて一般的によく知られている解熱鎮痛剤にはこのようなものがあります。

  1. ロキソニン錠(一般名:ロキソプロフェンナトリウム水和物)
  2. インフリーSカプセル(一般名:インドメタシン ファルネシル)
  3. バファリン配合錠(一般名:アスピリン・ダイアルミネート)
  4. ブルフェン錠(一般名:イブプロフェン)
  5. アセトアミノフェン錠(一般名:アセトアミノフェン)

1~4は「非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs=Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)」と呼ばれていて、上記で説明したようにシクロオキシゲナーゼのはたらきを妨げることで痛みや炎症をやわらげる薬です。

5のアセトアミノフェンの作用機序も中枢神経におけるシクロオキシゲナーゼ阻害だと考えられていますが、詳細な機序は未だに解明されていません。

NSAIDsに比べて作用が弱く副作用も少ないことと、抗炎症作用を持たないという特徴があります。

(参考→「日本ペインクリニック学会 NSAIDsとアセトアミノフェン」)

偏頭痛(片頭痛)|ズキンズキンと脈打つ痛み

頭半分にズキンズキンと脈を打つような、寝込むほどの強い痛みが日に1~2度起こります。女性に多い頭痛です。

両方の側頭部が痛んだり、光や音、臭いに対して敏感になり吐き気や嘔吐を伴うこともあります。

(参考→「ドクターズ・ファイル 片頭痛」)

偏頭痛の痛みのメカニズムは以下です。

  1. 脳の血管の中で血小板からセロトニンが異常に出る。
  2. セロトニンが血管を縮小させる。
  3. セロトニンがなくなってくると血管が拡張して血管周囲の三叉神経を刺激し、サブスタンスPをはじめとした神経炎症物質を出させ頭痛を引き起こす。
血小板からセロトニンが放出される図
セロトニンが血管を収縮させる図
血管拡張により神経炎症物質が頭痛を起こす図

偏頭痛の薬

「緊張型頭痛」に用いられる解熱鎮痛剤は誰でもドラッグストアで簡単に手に入れることができますが、以下のような「偏頭痛」に用いる薬は市販されておらず手に入れるためには処方箋が必要となります。

  1. イミグラン錠(一般名:スマトリプタンコハク酸塩)
  2. ゾーミッグRM錠(一般名:ゾルミトリプタン)
  3. アマージ錠(一般名:ナラトリプタン塩酸塩)

詳しくはKEGG (Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomesの略。1995年より京都大学化学研究所金久研究室が開発・提供を行っているデータベース)のURLを載せておきます。

気になる方はURLから飛んだページの真ん中より少し下あたりに「薬効薬理」「作用機序」という項目があるので見ていただければと思います。

簡単に言うと、アスピリンの例でも出てきたようにセロトニンとセロトニン受容体は鍵と鍵穴の関係になっています。

そこに薬の成分が入ってくることでセロトニン受容体の鍵穴はふさがれ、セロトニンが放出されても周囲の細胞たちは「既読スルー」のような状態になり、広がった血管が正常な状態に戻ったり痛みがやわらいだりします。

(参考→「KEGG イミグラン」)

KEGG ゾーミッグ

KEGG アマージ」)

ちなみに今回の勉強に使った書籍がこちら。

上の「これならわかる!薬理学」1冊あれば、だいたいは事足りると思うのですが、「薬はなぜ効くか」の「ヒスタミンとじんま疹」の図解がいいなと思って両方買ってしまった記憶が。あとはこちら↓

さすがニュートンさん。色鮮やかな図を用いて薬と体の仕組みについてわかりやすく解説されています。見開き10・11ページアスピリンの解説がとても助かりました。

ではこの辺で区切って、次回はハーブなどの自然の力による頭痛へのアプローチを見ていきたいと思います。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます♪

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