読んでみた|人生の法則 「欲求の4タイプ」で分かるあなたと他人|大事なのはお金じゃない!?理想型の仕事観
こんにちは。
今回は「人生の法則 「欲求の4タイプ」で分かるあなたと他人 岡田斗司夫」という本をもとに「『仕事』とどう向き合うか? どうとらえるか?」について書いていきたいと思います。
「売上さえ良ければそれでいいんだ」「給料が高ければ高いほどいいに決まっている」なんて、シンプルに考えられない自分は変なのかな?……と悩んだことがある人には、きっと共感できる部分があるんじゃないかと思います。
どうしたら幸せに仕事ができるのか悩んだことはありますか?|お金かやりがいか
私は、簡単に言うとやりがい重視で仕事を選ぶ人間です。我が夫Gさんにも「楽しいけど給料(報酬)の安い仕事」と「楽しくないけど給料の高い仕事」があったら、前者を選ぶようにオススメしています。
(もちろん、どちらを選ぶかは最終的には本人次第ですが「男なんだから・大黒柱なんだから、辛くたって鬱になるぐらいつまらなくたって、家族のために給料が高い仕事を選んで当然でしょう!」みたいなプレッシャーはかけないようにしています。「自分が好きだと思うほうを選んだらいいよ」と言っています。)
「稼ぐお金の額が大きければ大きいほど幸せだ」と考えている人は少なくありません。私の両親もそう考えていたので少なからず影響されて、以前はひたすらに金額を追い求めた時期もあったのですが、それによって「あぁ、幸せだなぁ!」という感覚、すなわち「幸福感」はとくに得られませんでした。
年収800万円(600万円と言っている人もいた)までは、年収が上がるのに比例して幸福度が上がり、それ以上はほぼ横ばいになるという研究結果がありますね。
そして、こんな興味深いことも言われています。
年収1億円以上の人の幸福度はなんと、年収700万円以上1,000万円未満の人の幸福度よりも低いことが明らかになりました。
MUFG>ホーム>個人のお客さま>アップユー>経済・お金を学ぶ>年収800万円が幸福度の限界点?年収と幸福度の関係とは
つまり、お金で買える幸せもあるかもしれないが、全ての幸せがお金で買えるわけではない……ということですね。もう分かりきったことかもしれませんが。
理想型の価値観|売れなくてもいい、魂を込めたい
「どうすれば幸せに仕事ができるのか?」を考えていた私は、偶然YouTube経由で岡田斗司夫さんの 「人生の法則 「欲求の4タイプ」で分かるあなたと他人 」という Kindle 本を知りました。
そしてそれを読んで、虜になりました。「お金だけが大事なのではない」という、ぼんやりした私の気持ちが言語化されていたからです。
どれくらい魅了されたかというと、好きすぎて「片づけなきゃと思っているのについつい後回しにしてしまう人のための本」を執筆するときにも(最初に立てた予定を途中で変更して)参考文献として活用させていただくほどでした。
「欲求の4タイプ」の本は解説部分と小説部分に分かれており、小説部分では高校生がコミケで同人誌を売るという場面設定です。「小説」と言っても小難しい感じではなく、「あ~わかるわかる!」と思ってしまうような親しみやすい描写になっています。
タイトルで言われている欲求のタイプとは、以下の4つです。
- 注目型(外交的で抽象的、アイドルタイプ)
- 司令型(外交的で数値的、リーダータイプ)
- 法則型(内向的で数値的、参謀者タイプ)
- 理想型(内向的で理想的、職人タイプ)
説明するよりも例を見たほうがわかりやすいと思うので、本の中の登場人物たちのセリフを引用しますね。
以下は、理想型のショウタと、司令型のマンガ研究会の部長フトシが言い争っている場面です。
ショウタ:「俺はそんなマンガを描く気はない! 俺は自分の作品には魂を込めたいんだ。フトシ……いや、部長だったな。部長はこの同人誌に魂を込められますか? だいたい、特に好きでもないのに、はやっているというだけで選んだ題材で、いいものが描けるんですか!!」
フトシ:「いいものなんて描く必要ないんだよ! コミケで同人誌を100部売るにはこの方法が一番いいんだ! 人物を描かせてやると言ってるのに、何の文句があるんだ!」
ショウタ:「クリエイターが、いいものを作らなくていいって言ったらおしまいだ! 『売れなくてもいい、満足のいく作品ができればいい』くらい、言えないんですか?」
「人生の法則 「欲求の4タイプ」で分かるあなたと他人 」 3章[小説]ショウタの物語ー妥協を許さない芸術家肌のイラストレーター より
理想型の私は、小説の中で描かれているショウタの言動に100%共感しました。
私は以前アニメが好きだったのですが、最近は売れることを重視して、ヒットしたアニメの設定を真似たものばかりになり「どれもこれも同じようなものばっかりだなぁ」と残念な気持ちになることが多々あります。
大げさに言うと「魂を揺さぶる」というか、心から面白いと思えるアニメを見たいと思うのですが、ショウタのような動機で行動している人が今の社会には少ないのでしょうか…。
もしかしたら、現代人は忙しいのでそこまで考える余裕がなく「なんとな~く、それっぽ~く」面白そうに見えれば満足する人が多いから、わざわざそれ以上に労力をかけて漫画やアニメを作る意味がない…と皆が思うようになったのでしょうか…。
そんなことを考えてしまいます。たまに魂を込めて仕事をしている人を見ると、ついつい応援したくなっちゃいます。(例えば飲食店だったら、積極的にGoogleマップの口コミを書いたり。)
理想型の宮崎駿さん
理想型に当てはまる有名人として、岡田さんは宮崎駿さんを挙げていらっしゃいます。
岡田さんのYouTube動画で、もののけ姫の中で「弓返り」が描かれているシーンの解説があります。
弓返りとは、矢を放った後に弦が肘の外側に来るようにすることで、矢を真っ直ぐに飛ばす技術らしいです。
でも、そんなのが描かれているかどうかなんて素人にはきっとわからないし、描いたかどうかによって、ジブリの収益っておそらく変わらないんじゃないかと思います。
それを「売れるんだったら描く」とか「売上を左右しないなら描かない」とか、そういうことじゃなくて、ただ良いアニメを作りたい、その一心で細部まで描いている宮崎駿さんには、やはり感銘を受けます。
多くの人が「プロじゃないし詳しいことはわからないけど、何だかジブリの映画って好き・すごい」って思うのは、きっとこういう要素の積み重なりなのではないでしょうか?
私も、効率的に成果を(つまり売上を)求める今の時代においても、職人魂を忘れることなく仕事をしていきたいなと思ったのでした。
さいごに
確かに、企業を存続させていく上でも、個人が生活を営む上でも、お金は必要なものです。でも「いいものなんて生み出す必要がない、売れればそれでいい」という価値観への不信感は拭いきれませんでした。
次の記事では、そんな私が過去の仕事で感じたモヤモヤエピソードを綴っていきます。
「私も理想型かも?」という方や「自分は理想型ではないから、その人たちがどういう風に考えているのか知りたい」という方は、ぜひ読んでみてください。
「あ~、あるある」とか「そうだったのか!」と思ってくれる方がいらっしゃったら嬉しいです。