①アスペルガー症候群とは|うまく付き合うには【個人】を理解する|私の父の特徴

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こんにちは。

私と自称アスペルガーの旦那がブライダルフォトを撮りに行ったとき、「普段から優しい旦那様なんですね」とカメラマンの方に言われました。以前は急にキレるなど「普段から優しい」という感じではなかったので「人ってこんなに変わるんだな」ということが大変嬉しかったのです。

「こんなこともあるんだよ」と、アスペ旦那・彼氏さんとの向き合い方に悩んでいる方の参考になればと思い、この記事を作ることにしました。

①では「アスペルガー症候群とは」と「私の父の場合」について、②では「私の旦那の場合」、「私たち夫婦の軌跡」について触れていきます。

アスペルガー症候群とは

そもそも「アスペルガー症候群」とは何でしょうか。「ふせき心療クリニック」さんによれば、以下のような定義です。

「アスペルガー症候群は発達障がいの一つで、社会性・コミュニケーション・想像力・共感性・イメージすることの障がい、こだわりの強さ、感覚の過敏などを特徴とする、自閉症スペクトラム障がいのうち、知能や言語の遅れがないものをいいます。」

最も端的に言うと「発達でこぼこ」です。

得意なことと苦手なことの差が、普通の人に比べてありすぎるのです。

人間ならば誰しも、何かにこだわりがあったり、冗談を受け入れられないことがあったり、家族や友人の気持ちに共感しきれない場面もあるわけですが、アスペルガーの場合はあまりにも程度の差が激しいということですね。

ネットで調べてみると、アスペルガー症候群の代表的な特徴が出てくるわけですが、「症候群」なので「風邪症候群」や「メタボリック症候群」と一緒なのです。

どういうことかと言うと、「風邪」と一口に言っても発熱、鼻水、せき、たん、関節痛…など人によって症状はさまざまです。

鼻水だって透明でサラサラしたものもあれば、黄色味をおびてドロドロしたものもあります。せきも乾いたものと湿ったものがあったりします。

「メタボリック症候群」も糖尿の人や脂質異常症の人や高血圧の人がいるでしょう。

つまりアスペルガー症候群の代表的な特徴を知ることにより、「参考にすること」はできるが「網羅すること」はできないため、一人一人を理解していかなければならないのです。

アスペルガーさんと上手く付き合うには、【個人】を理解する

「アスペルガー症候群」を理解するのではなく「田中太郎」「鈴木花子」という個人を理解していかなければならないのです。

私は最初にカウンセラーさんにこう言われたとき、「仕事と家事で毎日が精一杯。彼が健常者だったなら、彼のマニュアルを私が作らなければいけない必要もない。こんなに手間取って毎日を過ごす必要もない。なんて大変なんだろう。」と思いました。

「彼と付き合っていなければ、私はこんなに苦労させられることはなかった」という悲しさも勝手に抱えていました。

けれども今となっては感謝しています。

実は学校で習わないだけで、アスペルガー症候群じゃなくたって(あえて区別した言い方をするなら)健常者同士でも「個人を理解する」というのは人間関係構築の真髄なのです。

私たちは普段、社会生活を送る上での便宜上、「役割」に名前をつけてその仮面をかぶります。

「母」とか「妻」とか「姉」とか「会社員」とか「先生」とか…。

個人とその役割を冷静に分離できているうちはいいのですが、役割に飲み込まれてしまうとノイローゼや鬱につながっていってしまうのです。

「役割」に人を当てはめるのが便利なこともあるのですが、できるだけ不要な「こうあるべき」を手放すことによって生きやすくなれるから、近年断捨離やミニマリストが人気なんです。

私は学生の頃、「背が高い人は良い人、学歴が高い人は良い人、年収が高い人は良い人…」といった人の分け方を両親に刷り込まれましたが、「はたしてそれは本当なのだろうか?そうとは限らないんじゃないか?」と長年疑問に思ってきました。

そしてカウンセラーさんに「個人を理解する」ことの重要性を教わり、「どこからか客観的な数値で表しうる指標を持ってきて、ものさしで測って、他人と比べて優劣をつけることで良い悪いを決める」というやり方を手放すことができました。

だから彼との人間関係構築をきっかけにして、「人との向き合い方」の基本を身につけることができて、本当に感謝しています。

私の父の場合|アスペルガーさんに特徴的な行動

先ほど書いたように「アスペルガー症候群」といっても色々な人がいるわけです。うちの親も、正式に医師の診断をもらったわけではありませんが、カウンセラーさん特徴を伝えたところアスペルガー症候群だろうと言われました。

加えて、私もその血を引いているわけだから、アスペルガーの気があるとのことです。昔から「変わった子」であったのはなんとなく自覚がありました。

私の父の場合

  1. 勉強は嫌い(学生の頃は平均よりちょっと上だったらしい)
  2. 運動が得意
  3. 父親っぽさはない
  4. 集中力が異常
  5. 自信が過剰
  6. スイッチが入るときがある勉強は嫌い(学生の頃は平均よりちょっと上だったらしい)
  7. 運動が得意
  8. 集中力が異常
  9. 自信が過剰
  10. 人の気持ちを考えた言動ができない
  11. 仕事は好きではないが割り切って普通にこなせる
勉強は嫌い|運動が得意

勉強が嫌いで運動が得意な人なんて世の中にはいっぱいいると思いますが、プロのアスリートでもないのにかなり熱心に練習をし、年に数回大会や記録会といったものに参加しています。「趣味に生きる人」といった感じです。

父親っぽさはない

程度の差こそあれ、子どもが生まれたら普通は子どものことを優先して予定を立てるでしょう。しかし父は違います。ずっと独身であるかのように、一人で充実した人生を歩み続けていたのです。

「一緒にいてもひとり」というアスペルガーの結婚をテーマにした本があるのですが、まさに「一緒にいるのに家族ではない」感じに母は頭を悩ませていました。

特に印象的だったのは、土曜日に急に母がパートに入らなければいけなくなったときのこと。まだ弟が幼稚園ぐらいで、さすがに子どもだけで留守番させずに大人がいたほうがいいだろうという状況だったのです。普段は家事と子育てに差し支えないようにパートをしている母ですが、どうしても人手が足りず学校が休みの日にパートに入ることになりました。

母が父に「悪いんだけど、明日急に仕事になっちゃったから、子どもたちの面倒を見ていてくれない?」と聞くと「え、無理だよ。だって俺明日ゴルフだもん。」と答えました。ちなみにこのゴルフは営業マンの「この接待の結果で大事な契約が取れるかどうかが決まる」といった仕事関連のものではなく、完全に趣味のものです。

これは、父からしたら「俺は仕事をしているから偉いんだ」「子育てはお前の仕事だろ」などと亭主関白や男の優位性を見せつけること、家族を愛していないことを示すために一刀両断したのではなく、単に「明日は先にゴルフの予定が入っている」という事実を棒読みしただけだったのです。

だから大きな喧嘩になったときに「あなたはそうやっていつも家族をないがしろにして、父親らしい振る舞いをしてくれないじゃない。私たち家族を愛していないんでしょう?」と言われても、【自分のどういった行動が家族を愛してないと捉えられるようになったか】見当がつかないため全然ピンと来ず、言動が改善される機会が訪れないのです。

ケースバイケースだとは思いますが、「仕事ならまだしも趣味なら、時にはそれを犠牲にして子どもの面倒を見るのが親の務め。あなたも父親になったのだから、いい加減腹をくくりなさい。今からゴルフの断りの電話を入れてあなたが面倒を見なさい。自分の子どもでしょう。」と言ってあげると、「父親ってそういうことなのか!」なんて理解してくれるかもしれません。

「あなたには父親らしさが足りない!」なんて声を荒げても、「どういう行動を取ることが父親らしさなのか」という価値観・概念みたいなものがないので、「こういう行動をして」と具体的に言ってしまったほうが「あぁそうか」となったりもするのです。

集中力が異常

特徴的な「集中力の異常さ」。これは私にも受け継がれています。父はちょっとしたテレビCMや子ども向けのアニメでも、これが親の最期なのではないか、地球最後の瞬間なのではないかと思うほど、物凄く真剣に見入っています。

「そんなに面白かった?」と聞くと毎回「いや、別に。」と答えるので、「面白いから見ている」という自覚もなければ、「自分が今集中している」という自覚もないようです。

(「別に。」っていうセリフ、アスペルガーの人に多くないですか? 旦那もよく言っています。)

「自分の意思とは関係なしに吸い込まれていく」という感じですね。そんな時は「ねえ」「ちょっと」と話しかけたぐらいではこちらの声は聞こえていません。こちらが5回6回話しかけ、肩や腕を揺さぶったりして「え、今もしかして俺に話しかけてた?」とわかるみたいです。

私も勉強やブログを書くことなどに集中していると、お風呂が沸いた音楽などが聞こえなかったり、雑音が聞こえなくなったりします。(インターホンだけはなぜか毎回確実に聞こえます。)

私は普通の人よりも集中力があるほうだと思いますが、雑音が耳に入ってこなくなるのは試験勉強などの際に便利ですし、父ほど他の音をシャットアウトするわけではないので、あまり気にしていません。

自信が過剰

私もアスペルガーを敵視しているわけではなく、理解して支え合いたいと思っている人間ですから、月並みで恐縮ですがアスペさんたちの変わった言動もいわゆる「個性」として受け入れていいと思うんです。

だけど父のこれに関してだけは違います。交通ルールを守らないことがあるのです。(最近は父の車に乗っていないので今はどうかわかりません。)

スピード違反をしても、自分だけは警察に捕まらないと思っている、自分だけは事故を起こさないと思っている…。確かに駐車の技術などは上手いと思いますが、運転が上手いことと自信過剰になってルールを破ってもいいと思ってしまうことは違います。

現に「自分だけは警察に捕まらない」と自信過剰にスピード違反をし、警察に捕まり、点数を引かれてゴールド免許ではなくなりました。

スイッチが入る

これも車関連の話。車を運転していると、割り込まれたり、前の車が遅かったりして「あぁ、これがなければ今の信号で行けたんだけどなぁ~」と損した気分になることもありますよね。

でも普通の人は「大人」ですから、「まあこんな時もあるか」と諦めたり「今のは良く思ってないからね!」とクラクションを1回鳴らす程度で終わったりします。

けれどもうちの父の場合は「自分が予定していた信号で進めなかった」「自分のほうが先に並んでたのに、後から割り込んできた車のほうが先に行けた」といった悔しい(?)出来事があると、スイッチが入ります。

スイッチが入るとどうなるかというと、それはもう他人の声は全く耳に入らず、飛ばせるところまでアクセル全開、一気にスピードを上げます。(もちろん制限速度超過。)そしてなぜかスイッチが入った時は体を上下にはずませます。

父と母と当時5歳くらいの私が乗った車だったので、母が「さすがに子どもが乗ってるんだからやめてよ!事故起こしたらどうするの!」と叫んでいましたが、全く父の耳には入りませんでした。

誰も父の暴走を止められなかったのです。しばらくスピードを出して満足するとスイッチが切れ、普通に戻るのですが、自分が暴走していた時の記憶は無いようで、母が注意しても「え?そうだっけ?」とヘラヘラしていました。

普通の人でもイライラすることはありますが、普通の人の場合は自覚があります。「いけないとわかっていて…でもイライラを止められなくて。ごめんなさい。」と言えると思うのですが、父の場合にはそれがありません。

だからなおさら「治す」のが難しいのです。「自分は悪くない」と言い張るのですが、それは嘘に嘘を重ねてごまかして強く出ているわけではなく、本当に悪くないと思い込んでいるのです。

「うまく付き合っていく」にも色々な形があると思いますが、もし私が母の立場だったら父から車と免許を没収していたと思います。

「運転はしていいけど、安全運転でね」っていうのができないなら、運転させないしかないでしょう。

「そんな危ない運転をするなら、もう私はあなたの車には乗らないからね」では、本質的な問題は解決しておらず、どこかの誰かに怪我をさせたり死なせてしまう可能性があるんですから。

人の気持ちを考えた言動ができない

ネットや本などあちこちで「アスペルガーの人は、ヒトの気持ちがわからない」と言われています。

この場合、「ヒト」とは「他人」のことだと思われがちです。私も旦那と同居したばかりの頃はそう思っていました。

けれども長い間一緒にいるうちに、あることに気づいたのです。

「ヒト」は「他人」ではなく「人」であるということに。

つまり、自分の気持ちさえもわかっていないのです。

「あーイライラしちゃって、悪いことしちゃったな。明日謝ろう。」とか「あれはさすがに落ち込んじゃうわ。ちょっと一人になろう。」「あんなこと言うなんて酷いよ、悲しかったな。」といった自分の気持ちさえも知らないのです。

自分のであれ他人のであれ、「気持ちを認識する」ということが完全に抜け落ちています。だから他人の気持ちを考えた行動ができないなんて、当然ですよね。知らないものは考えようがないのですから。

仕事は好きではないが割り切って普通にこなせる

人間の脳みそというのは、「習慣」が好きになるようにできています。

アスペさんで仕事が続かないパターンもあるみたいですが、私の父と旦那の場合は、クリエイティビティーを求められる仕事は苦手なようですが、「言われたことをやる」といった仕事であれば割り切ってできるみたいで、生活費は稼いで帰ってきます。

「好奇心旺盛」「とにかく冒険したい」みたいなタイプではないので、退職・転職のメリットデメリットを考えたときに、今まで行き続けた職場に長居するほうが安心できると感じたのかもしれません。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。父の行動を思い出して書いてみました。「あーそれそれ、わかる。」と思えるものはありましたか?

次回は「私の旦那の場合」について書いていきます。

(こちらからご覧ください→「アスペルガー旦那とブライダルフォトを撮ってみたら②|優しい旦那様」)

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