汚部屋から美部屋になった私の、捨てるコツとマインド解説。②

前回の続きから)

捨てられないマインド

うちの母、鍵をかけたかどうか、何度も何度も戻って確認しないと済まないような不安症なんです。いつも「あれがこうなったらどうするの・どうしよう」と不安で不安で仕方がないタイプです。

多分、片づけたい・捨てたいけど、「必要になったらどうしよう」って捨てられない人って、不安を感じやすかったり、完璧主義なところがあるんだと思います。

「これを捨てて、もしこんなことがあったらどうしよう」「使える場面が出てきたときに、『あ!あれ捨てなければよかった!』って後悔するよなぁ」とか。

不安の芽が1個でもあったら絶対に許せないんです。

例えば、古いタオルを断捨離、全て新しいものに取り替えたとします。

ある日、ふと洗濯機の下を見てみたら、すごい汚れ。「あー、古いタオルがあれば、使ってそのまま捨てられたんだけどな。」となりそうですよね。

そこで、新たに100円で2枚入りの新品の雑巾を買ったとしましょう。1枚50円です。

「あー、あの時古いタオルを捨てなければ、50円損しなくて済んだのに!」って思いたくないから、捨てられないんです。

50円の損でさえも、絶対に許せないほどの完璧主義だから、捨てられないんです。

(ちなみに、このマインドは頭の中の、無意識の引き出しに入っているので、本人からしたら、「え?私、全然完璧主義じゃないんだけど…?」って感じだと思います。)

確かに、1円だろうが10円だろうが、少額であってもお金は大事なものだし、モノもお役目を全うさせてあげて、サヨナラできたら理想です。

でも、人生、1回の失敗もせず、1円たりとも損をせず、完璧に歩き切ることなんて、絶対に不可能です。

たまには「あー、やっちゃったなぁ」「失敗だったかなぁ」と右に曲がったり左に曲がったり、「次はこうしてみよう」「やっぱりこっちのほうがいいかな」と試行錯誤を重ねて、重ねて、重ねまくっていくのが人生なのです。

捨てるのが不安・怖い・勇気がいるって思うタイプの方は、「絶対に失敗をしたくない」「絶対に損をしたくない」という恐れから来る執着心を手放せるかどうかが、試されていますね。

片付けで人生が変わるのはなぜか

「勉強」ってね、机に向かって問題集を解くだけが勉強ではなくて、日常にたくさん、学びを得られるものが溢れていると思うんです。

片付けもその一つかもしれません。

片付けや断捨離で「人生が変わった」という話をよく聞きますが、「本当に人生が変わるの?」と思う人もいるでしょう。

私の考えとしては、「きっかけが作られる」、そこから派生して物事の見方が変わり、そこから受ける印象が変わり、抱く気持ちが変わり、自分から出てくる言葉が変わり…そうすると、なんだか人生が変わったように感じられるのだと思います。

「絶対に失敗できない」「絶対に損をするのが許せない」タイプの人が、「まあ、人生失敗することだってあるよね」マインドを手に入れられたら、本当に、生きるのが楽になると思いますよ。

例えば、食事が終わった後のお皿を下げるとき、「底が汚れるから、お皿を重ねないで」っていうルールを作ったとします。

ところが、家族が聞いてるんだか聞いてないんだか、何度言ってもお皿を重ねちゃうんですよね。

そんな時、

・「絶対に失敗できない」

・「ルールを少しでも破ること=悪」

・「1秒でもお皿洗いの時間が増えたらダメ」

・「1滴でも食器用洗剤を無駄にするのは許せない」

マインドがあったら、「何やってんの!お皿は重ねないでって言ってるでしょ!」と毎日毎日、怒鳴らなければいけないので、大変です。

でもね、お皿重ねたぐらいで、殺されるわけでもない、洗剤をちょっと多く使うことになったって、洗剤が100万円も200万円もするわけじゃないんです。

交通ルールを完璧に守ってたって、青信号の横断歩道に居眠り運転の車が突っ込んでくることもある。

通勤で乗っていた電車が脱線事故を起こして、犠牲者が出ることもある。

学校へ、会社へ、「行ってきます」と言って「ただいま」と帰ってくるのも、当たり前なようで、当たり前ではありません。

いつものように送り出したら、冷たくなって帰ってくる可能性も、ゼロではないのです。

無事に学校から、会社から帰ってきて、たわいもない会話をしながら、笑顔で家族そろってご飯が食べられる。

それでいいじゃないですか。

1滴洗剤を無駄にしたって、死にません。

「あーあ、また話聞こえてないのかねー、まあいっか。はいはい、下げてくれてありがとー。」でいいんですよ。

これは1つの例なので、人によって悩みの種はさまざまかと思いますが、「なんでこんな簡単なことができないの!」「どうして何回言ってもできないの!」と怒りがこみ上げてくる場合には、「まあいっか」マインドを手に入れることが、解決につながるかもしれません。

(次回に続く)

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