リーキーガットとは|腸のバリアが破壊される原因|食事制限による治療
こんにちは。
最初に少し、前回のおさらいをするとしましょう。
(前回の記事はこちら→「貧血もどきと化学物質過敏症|眠気・倦怠感・疲労感・頭痛|遅延型アレルギー」)
私たちの体には「抗体」というものがあります。体内に入ってきたウイルスやアレルギー物質などをやっつけようと、攻撃を頑張ってくれるものですね。
私は子どもの頃アレルギーっ子ではなかったのですが、大人になって原因不明の眠気や倦怠感、頭痛に悩まされて化学物質過敏症の専門クリニックに行ってみると、小麦などに対するIgG抗体を持っており「遅延型アレルギーである」と言われました。
なぜ「遅延型アレルギー」になってしまったかというと「腸に穴が開いているから」とクリニックの先生は教えてくれました。その状態に「リーキーガット」という名前がついているのですが、今回はその「リーキーガット」についてお話していきましょうということでしたね。
リーキーガットシンドロームとは|腸漏れ症候群
- leak:「漏れる」という意味の英語
- gut:「腸」という意味の英語
ということで、「腸漏れ症候群」と言ったりもします。
(参考記事→「三光クリニック 蒲田駅前院>リーキーガット( Leaky Gut )とは.pdf」)
ちなみに私は消化器系の不調を感じて、この過敏症専門のクリニックに行く前に、違うところで胃カメラと大腸カメラの検査を受けたことがありますが、「異常なし」でした。
なので「機能性ディスペプシア」「過敏性腸症候群」と診断されたわけですが、(過敏症やリーキーガット専門でない)普通のクリニックでは、リーキーガットになのかそうでないのかがわかりません。目に見えないほど小さい穴だからです。
では、何が腸に穴を開けるのでしょうか?
リーキーガットの原因|腸のバリアを破壊
リーキーガットの原因となりうるものは
- 除菌殺菌スプレーなどの過剰使用
- 小麦や乳製品の摂り過ぎ
- 添加物や防腐剤の摂り過ぎ
- 残留農薬野菜の摂り過ぎ
- 抗生物質や痛み止めなど薬の多用
- 大気汚染物質やトランス脂肪酸による活性酸素の悪影響
などです。
(「ミチワクリニック」さんの記事にたくさんの情報が詰め込まれています。以下のリンク先の真ん中よりやや上あたりから、ずらーっと書いてあるので、興味のある方は一度読んでみることをおすすめします。
参考記事→「ミチワクリニック>HOME>お知らせ>院長ブログ>万病のもと「腸漏れ症候群」を、腸活で予防しましょう!」)
腸の細胞が正常な場合、体に必要なものは体内に取り入れ、体に不要なものや害となるものは体内に取り込まず、外に排出しようする働きがあります。
体にとって害となりうるものは化学調味料や防腐剤、農薬などの他に「タンパク質」もあります。
腸の細胞が正常な働きをしていれば、タンパク質が分解された「ペプチド」、「アミノ酸」を体内に取り込みます。

(画像引用元→「不二製油株式会社>大豆で健康>大豆ペプチド>大豆ペプチドとは」)
「タンパク質だと分子が大きすぎて血管を傷つけてしまうため、本来タンパク質は血管に入れるべき対象ではない」と、私が行ったクリニックの先生が教えてくれました。
しかし上に書いた小麦や乳製品・添加物・痛み止め・トランス脂肪酸などを摂りすぎると、腸の細胞がダメージを受けてバリア機能が失われます。
すると、分子の大きいタンパク質だろうが、防腐剤だろうが農薬だろうが、腸内の悪玉菌が作った毒素だろうが、体にとって不要なものも有害なものも、全てが腸壁から取り込まれて全身を巡ることになるのです。だから「腸漏れ」なのに「頭」が痛くなったりするんですね。
「無農薬野菜なんて買ったことがないし加工食品もたくさん食べてるし、結構テキトーに生活してるけど、別に頭痛とかめまいとかの体調不良なんかないよ!」という人は、今のところ腸の細胞が正常なバリア機能を保っているということでしょう。
意外と体が丈夫な人のほうが、無理がきいてしまうので「気づいたときには体に負担がかかりすぎている」「病気が進行しすぎている」ということも少なくありません。
「今大丈夫だから」といって体に負担をかけすぎずに、体に優しい生活を心がけていただけると私としては嬉しいのですが。でも人間、切羽詰まらないとなかなか変われない生き物ですよね。(苦笑)
リーキーガットの治療方法|食事制限
さて、私に言い渡された治療は「食事制限」でした。私の遅延型アレルギー、眠気や疲労感や頭痛は、全て「腸のバリア機能が壊れていること」が原因だったからです。
腸の細胞が正常な状態になれば、また小麦や卵などを多少食べても大丈夫と言われました。
まず、①腸のバリアが壊れている状態でアレルギー反応を起こすものを食べてしまうと、頭痛などを起こすため「抗体を持っている食べ物を食べない」。次に②「腸の細胞(バリア)にダメージを与えるものを食べない」というルールが決められました。それを半年間続ければ、腸の細胞が元通りになるから頑張りましょうと言われました。
最初はアレルギーの知識がないものだから、「パンじゃなくておにぎりを食べればOK?」「クッキーやドーナツをしばらく我慢する?」くらいしか思い浮かびませんでした。
ところが……
①のルールにおいて、私は小麦の抗体を持っていたので小麦を排除しなければいけなかったのですが、パンやドーナツだけでなく、例えば「醤油」にも微量の小麦が含まれています。

ズルズルと食べたり食べなかったりしていては、なかなか腸の細胞が元通りになってくれないということで、たとえ微量でも排除するというのが先生の方針でした。
「そうだ、蕎麦の抗体はないから十割蕎麦は食べられるのでは?」と旦那が提案してくれたのですが、蕎麦のつゆには醤油やめんつゆを使いますよね。だから蕎麦の麺に塩を振って食べるというのも気乗りしなくて、結局食事制限中は蕎麦を食べませんでした。
②のルールにおいて、「グルタミン酸ナトリウム(アミノ酸と書かれていることが多い)」や「たんぱく加水分解物」などの化学調味料が含まれているものはもちろん禁止。普通のスーパーの「○○のたれ」「○○の素」「○○ドレッシング」などは全部不可です。
砂糖や肉類も悪玉菌のエサになりやすいので控える。(白砂糖は完全排除。甘味のあるものの中でも蜂蜜が一番マシだけど、それでも蜂蜜もなるべく控えたほうがいいと言われました。)
そして意外にも腸に良さそうな発酵食品も禁止。腸のバリアが上手く機能している人はいいけれど、バリアが壊れている人にとっては良くない刺激となるため、酢や味噌、漬物や納豆などもダメ。
「それじゃ、食べるものがないのでは……?」と思った私に、先生は「大丈夫!あなたはまだ米が食べられるから!」と言いました。もしかして、過去に米すらも食べられない人がいたのでしょうか。恐ろしいですね。
オーガニックショップに売っている「だしの素」は、化学調味料は入っていないものの「酵母エキス」が入っているため×。(こちらはたまに旦那が買いたがるので家にありました。オーガニックショップの和風だしの素ですね。私は違うのを使っているので、次回記事で紹介します。)

オーガニックのケチャップも化学調味料は入っていないものの材料が「トマト、塩、砂糖(、酢)」などでできているため、酢と砂糖が引っかかり×。ソースや焼肉のたれも砂糖が入っているため×。
果物も、果糖が悪玉菌のエサになってしまうため×。
食べられるものは
- 米
- 塩
- 野菜
- 刺身
- 焼き魚
- オリーブ油やアマニ油
くらいでした。
「えっ?お米っておいしくない?私は大好きだけど。」「生野菜に、シンプルにオリーブオイルと塩をかけたサラダを食べたことがあるけど、普通においしかったよ。」という人もいるでしょう。
私もおいしいと思ったことはありました。
でもそれは色々な食材を食べている中での1つだからおいしいのです。
味噌汁や、煮魚やたれを絡ませた肉と食べる白米だからおいしく、日々色々なドレッシングを使う中で、たまにドレッシングを使わずに食べてみるからおいしいのであって、「絶対にそれ以外を食べてはいけない」という縛りの中で食べるのは、全然おいしくありませんでした。3日も経たないうちに飽きました。
市販の「○○の素」やレトルトなどは全く使えないので、全てが手作り。たまに外食や中食がある中での料理は楽しいかもしれませんが、絶対に自炊じゃないと食べられるものがないと追い詰められた中での料理はとても憂うつでした。(ちなみに私は料理自体は好きではありませんが、健康と節約のためにやっているタイプなので、この時はなおさら憂うつでした。)
しかし、めちゃくちゃしんどいながらも食事制限の効果は抜群で、それまで悩んでいた「貧血もどき」は一発で解決し、元気がわき上がってきて生命力が強くなっているような感じがしました。
食事制限の6か月が終わったあとも、しばらく小麦や乳製品に気をつけていましたが、久しぶりに大好きなラーメンを1人前食べて眠気や頭痛が起こらなかったときは感動しました。「あ、本当に細胞が元通りになるんだ!」と。
このシビアな食事制限をしていたのは3年ほど前なので、今はここまで厳しくしていませんが、「あれ?この頃ちょっと疲れやすくなっているかも。」という時は小麦や化学調味料を控えることで体が楽になります。
たまに小麦や乳製品、卵なども食べますが、連続して食べないようにしたり「米粉」や「豆乳グルト」など代用できるものは代用し、「あの牛乳はおいしいけど、先週買ったから次は2週間ぐらい間をあけよう」とか、連続して摂り過ぎないように意識しています。
そうかといって「豆乳は体にいいから」と牛乳の代替品として豆乳を連続して大量に飲んでいれば、次は大豆アレルギーになるでしょうし、「何でもバランスよく食べよう」というのは、ありきたりなようで侮れないアドバイスですね。(^_^;)
「疲労感が気になるし、グルテンフリーって本やネットでもよく見かけるから、そういうのを試してみたいけれど、料理に時間がかかると大変だし、味気ない食事を強いられたら寂しいから、どうしようかな。」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
まずは1か月くらい試してみて、体調の変化を感じてみるのがいいと思います。「こんなに楽になるのなら、まあ意識してやってもいいか」という気持ちになるからです。(笑)
私のように醤油や味噌、ケチャップまで制限しなくても
- ラーメン
- うどん
- パスタ
- パン
- クッキー
- マドレーヌ
- 牛乳
- ヨーグルト
- チーズ
などの小麦と乳製品を多く含む食事を避けるだけでも、だいぶ体調の変化を感じられると思いますよ。本当は「無農薬」なども意識できるならしたほうがいいですが、上を目指せばキリがないですから、ちょっとずつやっていきましょう。
私も「No ラーメン, No life.」というぐらいにラーメンが大好きで、日本人なのにお米がとても苦手で、食べることが趣味というタイプでした。「たとえ体調が悪くなろうと、好きなものを食べられない人生なんて、人生じゃない」というぐらい、グルテンフリーに踏み出すのにはためらいました。
好奇心旺盛で、専門学校に行って東洋医学を学ぶくらい健康の話が大好きな私ですら、食生活をガラッと変えるのはすごく嫌でした。健康オタクじゃない人なら、なおさら抵抗感があるでしょう。
次の記事では、食い意地の張った私でも満足できたおすすめの食材と書籍を紹介していきます。「おいしくて体に良い」ものであれば、心も体も満たせて一石二鳥ですからね。^-^
更新お楽しみに♪
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