貧血もどきと化学物質過敏症|眠気・倦怠感・疲労感・頭痛|遅延型アレルギー
こんにちは。
前回は「グルテンフリーなどの食事改善が大事だよ」という主旨の記事を書きました。
(前回の記事はこちら→「「けい」さんの本を読んで|食事改善の大切さ・書籍紹介|グルテンフリー等」)
今回は私の体験談のうち症状や状態のことを、次回は食事制限のことや実際に食べていたものの紹介をメインにお伝えしていきますね。
貧血もどきの正体は化学物質過敏症!?
私がまだIT業界にいて、正社員でデスクワーカーをやっていた頃のこと。
一番気になる悩みは「眠気」でした。
いつもいつも眠くてだるくてたまらないんです。最初は「やる気がないだけでは?」と思っていたのですが、例えばインフルエンザにかかって高熱が出たときなんかは、やる気のあるなしにかかわらず、体がだるくて安静にしていたくなりますよね。
「やる気」とか「気の持ちよう」という範囲を超えて、自分ではどうにも抗えない眠気とだるさに襲われていました。
運良くホワイトな現場に配属されたため、ほぼ毎日定時の18時で退勤することができ、すぐに電車に乗れば18時40分くらいに家についていることもありました。四六時中とんでもなく眠たい私は、そこから歯磨きと着替えだけをして19時に就寝。
それでも翌朝7時に起きるのが眠くてだるくてしょうがなかったんです。「社会人、辛いのはみんな同じ!」と思って何とか一生懸命電車に乗るのですが、電車の中で気持ち悪くなって、意識が薄れて目の前が真っ暗になり、立っていることもままならず、駅の医務室で休憩させてもらったこともありました。
電車の席に座っているおじさんが「あなた!顔色悪いから!ほら、ここ、座って!」と譲ってくれることもありました。(おじさんありがとう。)
「さすがにこれはおかしい。そうだ!フラフラして意識が遠のくって、貧血なんじゃない!?」と病院に行ってみるも異常なし。その後も「眠気・だるさ・吐き気・フラフラする・頭痛」などの症状に悩まされました。
会社に行っても「頑張って椅子に座っている」ということが精一杯で、気分が悪くて仕事に身が入りません。会社を中抜けし、病院に行ってみるもやはり異常なし。
「どうして何も見つからないの!?」「どうしてどの病院も助けてくれないの!?」という絶望感が、後々私を健康オタクにさせました。
前回の記事で「まんがでわかる 子育て・仕事・人間関係 ツライときは食事を変えよう ― はじめてのオーソモレキュラー栄養療法 ―」という本を紹介しましたが、もしかしたら通常の血液検査の見方では異常がなくても、オーソモレキュラー栄養医学的な見方をすれば問題が浮き上がっていたのかもしれませんね。
↓オーソモレキュラー栄養医学の血液検査項目の例

(画像引用元サイト→栄養の力を、もっと医療に MSS オーソモレキュラー栄養医学)
でも当時「オーソモレキュラー」という単語を知らなかった私は、無い知恵を振り絞り、藁にもすがる思いで別のとある情報をつかみました。
それは「化学物質過敏症」です。
最近は強すぎる柔軟剤や香水の匂いで、めまいがしたり頭が痛くなってしまう人が増えたので、少しずつ認知度が上がっている気がしますが、普通の人だったら許容範囲だと思える化学物質に、異常なほど敏感に反応してしまう症状ということですね。
私も香水や柔軟剤で頭が痛くなるタイプでした。そして「貧血もどき」の症状に悩まされていた頃、なんだかウインナーやベーコンなどを食べた後は、特に頭が痛くなることに気づいたんです。
オーガニックショップに売っているものだと「豚肉、塩、有機砂糖」という非常にシンプルな材料で作られていることもありますが、多くの加工肉は「亜硝酸ナトリウム」という発色剤で見た目を良くしたり、「グルタミン酸ナトリウム」といううま味調味料でおいしく感じる工夫をしてあります。
「そんな、意味不明なカタカナばかり並べられてもわからないよ…」という方もいるかもしれませんが、要はこれが「化学物質」です。「サッカリンナトリウム」とか「アセスルファムカリウム」とか。化学というだけあって、横文字が多いですね。
(「知れば怖くて食べられない」という過激なキャッチコピーが書いてありますが、「うま味調味料」「保存料」「着色料」などの食品添加物について勉強するのも面白いですよ。
参考書籍→食品の裏側―みんな大好きな食品添加物 安部司)
YouTubeで「化学物質過敏症」と検索するといくつかの動画を見られます。重度だと、学校でもらうプリントのインクで頭に激痛が走るため、3日間プリントを天日干ししてインクの化学物質を飛ばしてやっと耐えられるという小学生もいたりして、気の毒に思いました。
(化学物質過敏症について視聴する→Youtube)
「化学物質に非常に敏感に反応する人・場合が存在するんだなぁ」ととらえていただければと思います。私も子どもの頃は柔軟剤もウインナーも気にならなかったのですが、この頃は体が弱りに弱っていたのか、すごく強い刺激に感じ、頭が痛くなりました。
「そっか、じゃあ化学物質過敏症をどうにかしようとすればいいのね!」と、化学物質過敏症や電磁波過敏症、花粉症などの「過敏症」を専門にしたクリニックを訪ねてみることにしました。
(今回は割愛しますが、スマホなどから出る「電磁波」も頭痛や不妊などの原因になっているという説もあります。気になる方はこちらなどを見てみてください。
参考サイト→「大宮レディスクリニック 〜妊娠しやすい体質づくり〜 > 妊娠体質づくり > 環境について」)
大好きなパン・うどんにIgG抗体|遅延型アレルギー
その化学物質過敏症を得意とするクリニックに行き、問診室で「病院で異常がないと言われたが、ウインナーを食べたときに頭痛が酷くなるということは、自分は亜硝酸ナトリウムなどの化学物質に反応しているのではないかと思って来た。」と先生に話すと、「おそらくそうだと思いますよ。でも、よくそこまで調べられましたね。」と驚かれました。
普通はそうですよね。「頭が痛い。よし、化学物質過敏症を治せばいいんだ!」なんて思いつかないですよね。「化学物質過敏症」という単語すら知らない人が多いでしょうから。
(私の場合は、この来院の2年前くらいに上で紹介した安部司さんの化学調味料の本を読んでいたことがヒントになりました。「化学物質過敏症」を「中華料理店症候群」と言うこともあります。
中華料理店症候群についての参考サイト→「レジデントノートトップ>こんなにも面白い医学の世界>第26回 中華料理店症候群」)
「おそらく化学物質過敏症で間違いないとは思いますが、何に反応しているかも知りたいですし、一度データを取ってみましょう。」ということで血液検査と尿検査をしてみることに。日本だとこうした分野の研究・対応はあまり進んでいないので、外国に送って検査をしてもらうということで、結果がわかるまでに少し時間がかかりました。
(※ツイッターで質問があったので追記します。当時伺ったのは飯田橋にある「ウェルネスクリニック神楽坂」さんです。
院長の賀来 怜華(かく れいか)先生は本も出版されています。
私もこの本を読みましたが…健康レベルを高めたい人・本気で痩せたい人は、紙コップにも気をつけたほうがいいらしいのです。内容を全部実践するのは難しいかもしれませんが、「へぇ~」と読んでみるだけでも視野が広がって面白いです。)
そして血液検査で分かった結果がこちら↓
(尿検査の結果はなくしちゃったんですけど(苦笑)、排出された量から体内にある有害金属を推定して「これだけ尿中に出てるんだったら、体内にもいっぱいあるだろうから、金属を排出する対策もしたほうがいいね~」的な使い方をするものだったと思います。私も体内に有害金属があったのですが、小麦などのフードアレルギーの影響の方が大きそうだったので、そちらをやることになりました。
金属排出について触れている記事を載せておきますね。→「小西統合医療内科>[コラム] 重金属を排出できる人、できない人。」)


大きく反応している項目を日本語で書くと
- 大麦
- 小麦(グリアジン)
- 小麦(グルテン)
- ライ麦
- スペルト小麦
- 全粒粉
- 酵母菌(パン)
- さとうきび、砂糖
- 卵(白身)
- 卵(黄身)
- あわび
- 牡蠣
- マスタード
- 黒こしょう
です。
この表は「どの食べ物に対してIgG抗体を持っているか」を表しています。すなわち上に箇条書きした食品を摂るとアレルギー反応が出るということですね。
「「病院の言葉」を分かりやすくする提案」によれば、抗体とは“細菌やウイルスと戦い,からだを守ってくれる,人間のからだの中で作られる物質“だそうです。
つまり抗体とは、細菌やらウイルスやら、アレルギーがある人の場合なら花粉やら小麦やらが体内に入ってきたときに、「その物質をやっつけようと頑張ってくれるもの」です。やっつけようとしてめちゃくちゃ頑張ってくれた結果、私たちは目のかゆみや充血、頭痛、疲労・倦怠感などが出たりします。
”私たちの身体には、IgE、IgG、IgA、IgM、IgDという5種類の抗体が存在します。”
(引用元サイト→「アンブロシア株式会社>トップページ>アレルギーについて>アレルギーの知識」)
いわゆる昔から知られている、じんましんや呼吸困難を起こす即時型アレルギーに関係するのはIgE抗体です。
私が持っていたのはIgG抗体でしたから、小麦を食べたところでじんましんや呼吸困難になることはありません。IgG抗体は遅延型アレルギーのもとになります。じんましんや呼吸困難でないのなら、遅延型アレルギーは何を引き起こすのでしょうか?
“食物を摂取後、数時間から数週間後に症状が出現する食物アレルギーがあります。
頭痛、めまい、うつ、などの精神神経症状、肩こり、慢性疲労など一見関係のないような多彩な症状を起こします。
このようなアレルギー反応は、遅延型アレルギー(3型アレルギー)と言われ、症状出現までの時間が長く、半日くらいから数日経ってから症状が現れることがあります。”
(引用元サイト→「小西統合医療内科>HOME>診療内容>遅延型フードアレルギーとは?」)
私が自覚していた、「眠気・だるさ・吐き気・フラフラする・頭痛」などが遅延型アレルギーの症状だったということですね。
私は子どもの頃、アレルギー持ちではありませんでした。小学校の学年に1人くらい、卵や牛乳のアレルギーがあってお弁当を持ってきている子がいましたが、そういう体質ではなく、何でも食べていました。だから最初に血液検査の結果をもらったときには「アレルギー?えっ、私がですか?」という感じでポカーンとしてました。
アレルギーっ子じゃなかった私が、なぜ突然大人になってアレルギーを言い渡されたのでしょうか?
それは「腸に穴が開いたから」です。次の記事で「リーキーガット」(腸漏れ症候群)についてお伝えしますね。
(次の記事→「リーキーガットとは|腸のバリアが破壊される原因|食事制限による治療」)
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