家事はなぜ大変なのか?③
(前回の続きから)
せっかく手伝ってくれても、イライラが消えないのは、方針決めと指示出しに疲れているから
(私は男女平等やジェンダレス社会の概念も大歓迎ですが、現在の日本では、女性が家事を担っていることが多いので、女性が家事をしていると仮定して話していきますね。)
せっかく旦那さんが家事を手伝ってくれても、負担が軽減されてないような気がして、モヤモヤしてしまうのは、「作業をやってほしいからではない」ためです。
お母さんって、いつも「家庭を良くするにはどうしたらいいかな?」って考えていると思います。
・「そろそろ洗濯機を回しておかないと、今週末はお父さんが出張だから、着替えで持っていくYシャツが足りなくなりそうだな」
・「まだ大掃除の時期ではないけど、あの辺の汚れが目立ってきたから、念入りに掃除しておいたら、家族が気持ちよく過ごせるかな」
・「栄養のあるものをバランス良く食べてほしいから、Aちゃんの今日の給食が○○だったら、夜は××を作ろうかな」
・「家族でこんな思い出を作れたらいいよね。だから、こっちの予算を削って、これのために×年×月までに、〇円貯金して、どこどこへ行こう。お父さんの繁忙期は△月だから、×月に合わせれば、スケジュール的にもちょうどいいな」
そんな風に「とにかく何でもいいから、家庭を良くしましょう」という方針にのっとって、日々を過ごしているのです。
何のために、いつまでにいくら貯金をするのか、洗濯は毎日がいいのか2日に1回のほうが効率的なのか、朝にやるのか夜にやるのか、プチ大掃除は3ヶ月に1回にしようか2ヶ月に1回にしようか、肉を食べさせようか魚を食べさせようか卵を食べさせようか…
考えている時間が、一番大変なのです。
もし仮に「お父さん、明日はAちゃんが体操着を使うから、ご飯を食べ終わったらすぐに洗濯機を回さないといけないんだけど、私はBちゃんをお風呂に入れた後に、Aちゃんの宿題を見てあげた方が良いと思うから、お父さん、洗濯やってくれない?」
なんてセリフがあったとしたら、大変なのは、洗濯機を回すお父さんではなく、家の洗濯物の状況と翌日以降のスケジュールを照らし合わせ、動ける大人のスケジュールを見て、複数のタスクを振り分けたお母さんです。
(とはいえ、実際に洗濯機を回してくれるのも助かるので、感謝を伝えるのは忘れずに!)
育児でも「一般的には、ミルクは3時間おきにあげるんだけど、この子は1回に飲める量が少なくて、2時間おきにあげてるから、そろそろミルクの時間だね。お湯を沸かしてミルクを作ってくれる?」
というセリフも、普段の状況把握から、具体的な作業内容を考えて、指示を出すまでに頭を使います。お湯を沸かすことと、お湯と粉ミルクを混ぜて冷やすこと自体は、難しいことではありません。
(頼んでも全く何もやってくれないよりは、はるかに助かります!感謝!)
お母さんからしてみれば、家の状況を把握したうえで、今何をやるべきなのかを決めるところまでが負担なのです。
家庭を大きな船に例えるとしたら、どんな航海にしようかと全体的な方針を決め、天候や残りの食料などの状況を把握しながら1日の方針も決め、さらに船員に指示を出し、自分でもオールを漕いでいます。
決して、オールを漕ぐことだけが大変なのではありません。
「せっかく手伝ったのに、喜んでくれない」「何もしないよりは助かるけど、何だか楽になった気がしない」という場合は、「方針を決め、指示を出す」ところが疲れの原因なのです。
だからオールを漕ぐことを手伝ってもらっても、楽になった気がせず、「指示を待ってないで、自分で考えてやってよ!」とむしろイライラします。
疲れると思っている原因・手伝ってほしいと思っている作業が、微妙にズレているのです。
家事協力でイライラしないための解決策
解決策としては、まず、全ての家事リストを書き出して、「毎朝」とか「毎週」「3ヶ月に1回」など、頻度や分担を決め、作業をあらかじめ具体化します。「年間スケジュール表」とか「曜日別to do」リストを作ってもいいのではないでしょうか。小学校の当番表みたいですけどね。(笑)
とにかく「もっとあの辺も、本当は掃除した方がいいのかな~?」なんてモヤモヤが引っかかってると、それだけで無駄に脳を働かせてしまいます。
「最近、よく換気扇のほこりが気になって、掃除した方がいいような気もするけど、忙しいから、年末の1回だけになっちゃう。でも、本当は4か月に1回ぐらいがいいかな?」とか、思っていることを、一度ごっそり紙に書き出すなりして、頭を空っぽにします。
そして、「誰が、どのくらいの頻度でやるのか」具体的な作業に落とし込み、「スケジュール表」や「リスト」にしてしまうのです。
最初からキレイに書かなくていいですよ。「レンジフード汚い!でも腕が痛くなるから、やりたくない!」とか、素直に思ったままを書かないと、結局モヤモヤが頭に残るので、せっかく作ったスケジュール表も「絵に描いた餅」で、活かせずに終わってしまいます。
業務用洗剤を買うとか、諦めてプロにお願いするとか、「みんながやりたくない作業をやった人は〇百円のお小遣い・ケーキを1個多く食べていい」などルールを作って担当を決めるとか、作戦は後から考えればいいので、とにかく最初は素直に!
頭を空っぽにするのが完了したら、表やリスト作成に移りましょう。
この一連の作業は、一見、面倒なようですが、人間の脳みそは「ルーティン」が大好き。
「朝起きたらまずはこれ」「帰ってきたらこれ」「月曜日の朝だからこれ」「偶数月の第一週の日曜日だからこれ」と、決まり決まった作業にした方が、逆に楽でイライラしないのです。
料理をすることよりも、献立を考えるほうが苦痛な人も多いと思いますが、「月曜日は豚肉、火曜日は白身魚、水曜日は麺…」などとルーティン化した方が、脳みそ的には楽になります。
無理してまでやる必要はないですが、「もっと家事を楽にしたいな」「お互いイライラせずに協力し合いたいな」という方は、「年間スケジュール」や「to doリスト」作成をぜひ試してみてください。^^
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。